青眼と僕と冒険と

僕とブルーアイズが歩いた軌跡のお裾分け

第三章

購入した構築済みデッキを掌で遊ばせてみました。

さらさらと流れていくカードたち。

見た目が想像と違っていたトカゲのようなディープアイズのことも、眺めていると「生涯を通して、相棒と呼べるのはお前しかいない」といった心持ちになりました。

 

当時の青眼の白龍デッキといえば、儀式軸が一般的でした。

『ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン』の圧倒的耐性を用いて相手を圧殺する、そんなデッキが主流でした。

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ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン

私が購入した構築済みデッキも儀式寄りの青眼デッキでした。

とはいえ完全な儀式青眼というわけではなく、切り札がカオスMAXなだけという、なんとも中途半端なデッキでした。

ルールを一通り覚えた私はなんとかカオスMAXで戦ってきました。

旧友も、私のデッキパワーに合わせて戦ってくれていたと思います。

この時はただ楽しかった。

 

しかし、成長してくると欲が出てくるもの。

「最近ディープアイズを出してないな」

そう。ディープアイズを使うことがなかったのです。

旧友が私のレベルに合わせて戦ってくれていたこともあるのですが、そもそもカオスMAXが戦闘破壊されることがなかったのです。そして自身の耐性により効果破壊もされない…

ディープアイズを使うために、そして彼女とともに戦うために遊戯王に復帰した私ですが、ディープアイズを全くと言っていいほど使っていなかったのです。

「ディープアイズを使いたいんだけど…」

旧友に相談しました。帰ってきた答えは

「カオスMAXが突破されるわけないじゃん。ディープアイズ出すよりもカオスMAXで敵を潰すほうが現実的じゃない?」

というものでした。

 

ディープアイズは一枚しか入れていなかったにも関わらず、高確率で私の手札に来てくれました。「いつでもいいわよ」そう言っているようでした。

しかしいつもフィニッシャーはカオスMAXでした。

「今日も出番はなかったわね」

掌をさらさらと流れる彼女はどことなく悲しげで、そして退屈そうでした。

 

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青眼の混沌龍

 

2018年6月9日に青眼の混沌龍は誕生しました。

ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンをサポートするこのカードの存在は『儀式青眼』というジャンルをより強固なものにしました。

相手モンスターの表示形式を無理やり変更させ、しかもその攻守を0にしてしまうこのカードにより、さらに後攻ワンキルし易くなりました。

私も早速『青眼の混沌龍』を採用し、幾度か戦いました。

しかし意外と混沌龍とカオスMAXが同時に並び立つことはなかったのです。

「完全に儀式特化させたほうがいいんじゃない?」

旧友の一言もあり、私は今まで使ってきたデッキを崩し、完全な儀式青眼デッキを構築することとなりました。

 

この時すでに『魔神儀』モンスターは誕生していました。

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魔神儀-タリスマンドラ

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魔神儀-キャンドール

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魔神儀-ペンシルベル

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魔神儀-ブックストーン




彼らは儀式をサポートする優秀なモンスターとして知られていました。

私も早速、魔神儀を取り入れた儀式青眼を作りました。

彼らを取り入れた理由は「可愛いから」でした。

ミニオン語を喋りそうだし。

わちゃわちゃ愉快なんだろうな、きっと。

そんなことを妄想しながら試行錯誤を繰り返し、そして問題なく戦えるレベルにまで調整を重ねました。

然しながら。

それでもディープアイズをデッキから外すことはできませんでした。

 

2018年7月某日。

私は友人より紹介された、ある女性とお付き合いするようになりました。

私の至らない点の数々を笑って赦してくれるたったひとりの其の女性は、私のココロに巣食う闇を徐々に取り去っていきました。

安心感を与えてくれました。

「この人となら生涯を一緒に歩んでいけるかもしれない」

そして。

心の傷が癒えたその時に、私はあの日の決意の理由を忘れたのです。

ディープアイズとともに戦う。そう誓ったあの日の決意を。