青眼と僕と冒険と

僕とブルーアイズが歩いた軌跡のお裾分け

第一章

2018年の春ごろ、当時お付き合いしていた女性とお別れしました。
その時、彼女は泣いていました。

泣きながら「別れてほしい」と言われました。

私は一人の女性を幸せにすることができなかったのです。

 

私は独り車を走らせ、考えを巡らせました。

何がいけなかった?何が悪かった?

答えが出ないまま、数週間が過ぎました。

喪失感。

そう、ココロに穴があいたのです。

何かをする気力がなくなったのです。

理由は単純明快でした。

彼女を泣かせたから、ではありません。「彼女を泣かせた」「一人女性を幸せにできなかった」ダサイ男。

そんなしょうもない矜持が傷つけられた。

そう。私は優しくなかったのです。

私はただ、自分が可愛かっただけなのです。

「彼女を悲しませてしまった」から落ち込んでいたのではなかったのです。

「彼女を苦しませてしまった」から落ち込んでいたのではなかったのです。

ただ「彼女にフられたダサイ男」という事実が心に伸し掛かり、動けなくなっていたのです。

 

このままではいけない…

 

そんなことを考えながら、一件のレンタルビデオショップに足を運びました。

なにかで気を紛らわせないと正気を(あったかどうかはわかりませんが)保てなかったのです。

なにを観ようか…

心をどこかに置いたまま、棚に目を配りながら歩いていると、ひとつの作品が目に留まったのです。

 『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』

あぁ、そういえば上映されたときは観に行けなかったんだっけ。

これでいいか。

 

これが私と青眼の白龍との出会いです。